「3年生と語る会」及び「伝統を引継ぐ会」を行いました。本校を巣立ちゆく3年生と1・2年生で創り上げてきた学校文化を確かめ合い、一人一人が自らの願いや思いを伝え合う中で伝統を引き継ぐことを目的に行いました。今年度は、「Create ~継承から誇りへ~ 」をテーマに、生徒会が伝統の三本柱として「合唱・掃除・福祉」活動の更なる充実と発展を願って、事前取組から2年生を中心とする実行委員会によって準備を進めてきました。
3年生と語る会
3年間の学校生活の経験とそこから得た自分なりの生き方について、1・2年生に堂々と語ることができました。
2年生生徒が3年生の語りから掴んだことを紹介します。
「地道に何かをやり続けていくと、最後にはか必ずいいことがるから、辛いときもあきらめずに最後までやることが大切であると学びました。また、班や学級をよくするには、リーダーだけじゃなくフォロアーが助け合ってやっと班や学級がよくなるということを知りました。私も今の班長をフォローしてもっとよい班にしたいです。」
「福祉とはどういうものか、本当のボランティアについて語ってくださいました。改めて普段の収集物やボランティアについて考えてみようと思いました。当たり前に平和に過ごすことができているのは、当たり前ではなく幸せなことであるとあらためて感じることができました。」
「目標は達成できるかどうかが大切ではなく、目標をもち続けることが大切で、それをやり続ければ可能性はゼロにはならない、という話が印象的でした。自分も簡単には目標をあきらめないようにしたいです。」
「今までうまくいかないことも自分一人で抱え込んでしまっていたけど、手伝ってくれる仲間や支えてくれる仲間がいて、仲間を信じて頼ることも大切だと分かりました。3年生の語りを聞いて、仲間を大切にして頼ったり、頼られたりしたいです。」
「日常生活は大切な場面で出るという語りから、僕も日常生活からさぼらずに一つ一つのことに真剣に向き合いたいです。小さなことも手を抜かず、全力で頑張っていきたいです。」
社会福祉協議会への寄贈
会の始め、全校生徒が新聞紙やアルミ缶などの収集活動によって得られた収益金で購入したマッサージチェアを輪之内町福祉協議会に寄贈する贈呈式を行いました。「誰かのために進んで何かができる」という福祉の精神を大切にして取り組んできた思いを社会福祉協議会の方に伝え、今後の活動の充実を約束しました。
伝統を引き継ぐ会
各学年が1年間の財産を語り、合唱の姿で今までの成長を表現しました。
1 年 生
1年生は、これまでの中学校生活を通して、来年から学校の中堅学年となるための気持ちと姿を高めてきました。掃除では、黙働掃除を徹底させ、時間いっぱい見つけ掃除をすることに取り組みました。床等にこびりついた汚れをヘラで擦ってきれにするなど、少しでも校舎をきれいにしようという気持ちで行いました。課題は計画会と反省会を充実させることです。
福祉の気持ちをもつ取組では、あいさつや輝き見つけ、収集ボランティアの活動に取り組み、全員参加によって姿が向上しました。仲間のよい姿から学ぼうとする雰囲気が高まり、取組の結果もよくなってきました。
合唱の取組では、3年生から学んだハーモニーのきれいな気持ちの入った合唱を手本にして、よい表情で歌う人を紹介するなど、歌声委員が学級の一人一人の歌う姿にこだわりました。
2 年 生
2年生は、6月の神子研修、11月の職場体験学習等を経験し、一人一人が進んで行動する力を身に付けるとともに、集団としての絆を深めてきました。神子研修では、仲間と寝食を共にし、互いを思いやる気持ちを高めることができました。職場体験学習では、働くことの尊さや喜び、たいへんさを感じ、将来の自分について考えることができました。また、日々の生活の中で仲間と励まし合い、集団に貢献する行動力を高めてきました。そして、3学期を迎え、3年生への「0学期」として伝統の三本柱についても意識を高め、着実に行動できるようになってきました。まだまだ未熟な2年生ですが、3年生が安心して伝統を託していただけるようにこれからも取り組んでいきます。
3 年 生
3年生は、伝統を自分たちの姿で示す責任を感じながら日常生活の向上に取り組み、最高学年としてふさわしい合唱を発表することができました。
掃除の取組では、なぜ掃除をするのか、どんな姿を1・2年生に伝えればよいのかを全員で考えました。3年生としてのあるべき姿を求め、あきらめないで全員で関わり合うことで黙働掃除や見つけ掃除を充実させることができました。1・2年生には話し合うことを大切にしてほしいです。
福祉の活動では、「輪中の福祉の心」を1・2年生に伝えました。誰かのために自分から行動を起こすことは、掃除や合唱にも通じることです。使う人のために一生懸命に掃除をしたり、よりよい合唱にするために関わってくれる仲間の気持ちに応えたりすることを通して、福祉の心が高まりました。
合唱の取組では、1・2年生に「魅せる」ことを目的に、よりよい合唱にするために関わってくれる仲間の思いに応える中で、自分や仲間のために歌おうという思いが強くなってきました。
3年生は、この伝統を引継ぐ会を通して、3年生としての責任を立派に果たしました。卒業までに1・2年生の姿を見守っていきます。1・2年生は3年生から伝統を引き継いだ者として、3年生から認めてもらう姿になることを大切にします。どの学級でも、今までの取組の課題から、もう一段階レベルアップを図ります。
この会を自分たちの手で成功させようと、運営や準備など学年全員で頑張った2年生は最高学年となるべく決意をもった堂々とした姿でした。実行委員の生徒は、毎日の校内放送を通じて懸命に呼びかけ続けました。自分たちが全校に提案したことがうまくいかなくても、あきらめないで結果が出るまで粘り強く取り組もうとする姿勢が身に付きました。
【保護者の声】
伝統を引き継ぐ会を終えて、参観をされた保護者の方から次のような感想をいただきました。
「話す、歌う、聴く姿勢がすばらしく、感動しました。移動のときなど、余計な音を出さないよう、どの子も気をつけていました。各学年の発表には自分たちの財産に誇りが感じられました。引継いでほしい伝統について、3年生から明確に伝えることができてよかったです。」
「各学年の発表では、3年生の発表が心に残りました。マイクなしでとてもはきはきとした声であり、思いのこもったみんなに伝えようとする話し方であったからです。合唱では、3年生の男女の人数さがあったものの、それを感じさせない歌声で素晴らしかったです。引継ぎ式で、マイクをさっと相手に合わせて直す姿に思いやりを感じました。準備等、お疲れ様でした。素敵な会をありがとうございました。」